魅惑ある謎めいたフルーツ「イチジク」。おすすめ5品種と食べ方

イチジクはみなさん食べますか?昔は庭先に植えてある家もあるぐらい身近だったらしいけど、今は積極的には食べない人が多いと思います… どこか得体が知れず謎めいた果物ですよね(^^;
でも!イチジクを知って、一度食べてみたら、毎年食べたくなること間違いなしです。 独特の味わいで、デザートだけでなく料理の幅も広がります。今回はそんな魅力あるイチジクをご紹介します。

イチジクとは

イチジクはイラクサ目クワ科イチジク属の落葉樹木になる果物です。英名はFig、学名はficus carica。原産はアラビア南部。
紀元前2700年前に栽培されていた記録があるなど、かなり古い時代から食用にされてきました。キリスト教などの間では、アダムとイブの話の中で出てくる"禁断の果実"がイチジクであるという説もあります。絵画の中で、体を隠した葉がイチジクの葉に似ていることからそう考えられているそうです。

一時クイズ番組とかで頻出していましたが、イチジクは漢字で「無花果」と書きます。漢字の意味としては「花の無い果実」となるのでしょうが、実際にはちゃんと花はあります。 実は、外から見えない内側で無数の小さな花が咲きます。「隠頭花序」という花のつきかたです。(うわ、めっちゃ農学部っぽい、なつかし笑) 「無花果」と書くのは、花が咲かないように見えるからです。

普段食べている部分は、花や実が集まった部分です。上の割れている写真でも、外側から中心に向かって白い筋のようなものが何本も伸びているのが見えますが、これが花の名残です。その先に白い粒の種子(正確にはこれが果実である痩果)がありますね。果皮が緑の未熟時に中を見ると、花っぽいものが見れると思います。日本のイチジクは単為結果性なので、そのうち種子が生成されると果皮が赤く色づいてきます。
結局、イチジクってどの部分を食べているの?という質問に対しては、「イチジクは花や実が集まった果嚢(かのう)を食べているんだよっ☆ドヤァ」て言っとけば大丈夫です!笑

種類

スーパーで見るイチジクはどれも同じに見えますよね。(まあ2品種置いてあるとこすら珍しいですが…) それもそのはず、 国内で流通しているイチジクの約8割は「桝井(ますい)ドーフィン」という品種になります。
ですが、イチジクにも品種はたくさんあります。おすすめ品種は後述しますが、皮の色合いによる大分類でも、熟しても緑から白の「青イチジク(白イチジク)」、黒紫の「黒イチジク」があります。普通のイチジクは赤っぽくなるけど何イチジクかはわかりません(笑

一般的な赤色のイチジク:桝井ドーフィン、とよみつひめ、蓬莱柿(ほうらいし)
白(青)イチジク:バナーネ、キング、コナドリア、カドタ
黒イチジク:ビオレソリエス

おすすめ5品種

さて,ここからおすすめ5品種を紹介します!
食べたことない人もいると思うけど、そんなに嫌いな人はいないと思うので、プレゼントにも最適です。贈り物でイチジクなんてもらったら、僕は嬉しすぎて「倍返し」しちゃうかも(笑
スーパーの食品って、農家から卸売とか経由して届くまで結構時間かかるから、収穫時は未熟なものが多いです。完熟収穫のイチジクは一段上のおいしさなので、農家直送の通販がおすすめです(・ω・) また、イチジクは流通量はそんなに多くないけど、栽培しやすいため割と各地で栽培されています。 なので、お近くの農産物直売所に安くて美味しいのがあるかもしれません。当日朝どれの完熟が味わえるのはこれだけかも笑 一度探してみてはいかがでしょうか?

☆桝井ドーフィン

最も普及している品種で、6月~10月まで収穫されます。になります。スーパーでも良くみます。大きなものはこぶし大くらいの大きさでふっくらしています。味は、イチジクの中ではねっとりというよりサッパリめ。

☆とよみつひめ 福岡県

福岡限定のブランドイチジクです。 たまにスーパーでも見かけます。大きさは、桝井ドーフィンより小ぶりです。皮ごと食べれる品種で、とよ(豊)みつ(蜜)ひめという名前の通りとても甘いのが特徴です。食感もとろっとろでまろやかです。

☆蓬莱柿(ほうらいし)

西洋から来たドーフィン品種に対して、中国原産で日本で開発された蓬莱柿は「日本イチジク」とも呼ばれます。日本で広く普及しているのは桝井ドーフィンとこの蓬莱柿の二つ。熟すとおしりからパカッと大きく割れるのが特徴で、あまり日持ちしません。皮ごと食べれます。味はほのかな酸味が強い甘みの中に感じられます。

☆キング

ごめん。。。もう時期終わってた(:_;)。。。売り切れみたいなので来年を気長に待ちましょう! 緑色が美しいイチジク.6月~7月が最盛期でイチジクの中では早い部類でした。控え目な甘みだそうです、食べてみたい…

☆ビオレソリエス

黒紫のイチジクで「黒いダイヤ」とも呼ばれている珍しいイチジクです。 裂けにくいので比較的日持ちが良い。実は上の「キング」と同じ農家さんで、この黒イチジクの国内栽培に成功した功績などがあり、イチジク界隈では超有名な農家さんだそうです。イチジクにこだわってらっしゃるんですね、素晴らしいです。

選び方と食べ頃

美味しいいちじくを見分ける方法は、香り・形・色
ヘタの切り口に白い液がついているのは、新鮮な証拠です。まぁでもあんまりスーパーのにはそこまで新鮮なのはないかな(^^;
いちじくは追熟しにくく痛みやすいため、食べごろなものを選んですぐに食べましょう。 食べごろの見極めは、おしりの割れ具合。底の部分が割れかかったものが完熟状態で食べごろです。 また、特有の甘い香りが強く、皮に傷がなくふっくらとしているものを選びましょう。手でさわると軽くへこむくらいの弾力があるものが良いです。一般的な品種のイチジクは熟すと赤色を帯びます。
ちなみに、未熟いちじくの生食は胃を痛める危険性があるので、注意してください。

食べ方

生が一番です、と言いたいところですが、イチジクは他のフルーツと比べて水分量が少なく甘みが強いため、様々な料理に合います。 焼いてもよし、煮てもよし、揚げても良し、チョコやチーズ,サラダにもマッチするとても優秀な万能フルーツなんです(^_-)-☆
イチジクは、「とよみつひめ」など皮ごと食べれる品種もあります。洗うだけでいいので、とても楽ですね。 皮をむく場合は、ヘタの部分を持って、バナナの皮をむくように皮を指でつまんで下方向にむきます。

イチジクと鶏肉の照り焼き

下ごしらえでイチジク果実と揉みこむと、イチジクの酵素が肉を柔らかくしてくれます。そのまま照り焼きにするといつもよりさっぱりした味わいに。夏におすすめ!

イチジクのチームッフル

こちらのページに作り方を書いてあるのでそちらをみてぜひ作ってみてください!
【和歌山イチジクのチームッフル】

イチジクのギモーヴ

ちょっとマニアックな「ギモーヴ」ですが、生マシュマロと呼ばれ、ふわもち食感のデザートです! レシピはちょっと待ってね。

イチジクのワインコンポート

いちじく6~8個、赤ワイン100ml、水100ml、砂糖30~50g(お好み)、レモン果汁小さじ1を鍋に入れて弱火で20分ほど煮込む。 食後のデザートにぴったりです。

イチジクヨーグルト

イチジクを少し小さめにカットしてヨーグルトと混ぜれば、生イチジクの甘みとヨーグルトの酸味がマッチしてとても美味しくなります。

イチジクの生ハム巻き

イチジクはねっとり甘い食味から、塩味のものと良く合います。生ハムはもちろん、スモークサーモンやチーズなどもお試しください。

産地

関西のフルーツ王国 和歌山!嬉しいです!
都会のある県で盛んみたいですね。なぜでしょうか? 農学的に考えると、イチジクは追熟しにくいかつ日持ちしにくい性質があるので、消費地(人が多い地域)が近くにないと売れないため都会での生産量が多いということが考えられます。 更に、栽培が比較的簡単なので気候による栽培地域の制限は小さいのも影響してると思います。 それにしても大阪が4位てすごい違和感(笑 

栄養

 古代ローマでイチジクは「不老不死の果物」と呼ばれていました。その名の通り、イチジクには栄養が豊富で、様々な健康効果が期待できます。最近は女優さんも積極的に食べているとかとか。
 イチジクには、カリウム、ペクチン、フィシン、鉄などの栄養素が特に多く含まれます。 カリウムは、メロンやすももでも書いてましたが、体内の余計な塩分を排出させて、血圧を下げる効果を持ち、熱中症予防にも期待できます。ペクチンは水溶性食物繊維で、水分を保持する性質があるので、栄養素の消化吸収スピードを遅らせる作用があります。その結果、血糖値の上昇を緩やかにしたり、整腸作用が期待できます。 鉄分は、ご存知のように貧血対策にとても重要な栄養素ですね。
 フィシンが特徴的な成分で、イチジクの茎を切ったときにでてくる白い液体がフィシンです。 フィシンはタンパク質分解酵素で、イチジクにとっては傷口などに侵入してきた細菌などから身を守る役割をもちます。イタリア料理などでは肉料理にイチジクが使われますが、その作用を利用していて、酵素の力で肉のタンパク質を分解して柔らかくしているそう。 また食後に食べることで、消化を助ける効果が期待できます。

いかがでしたでしょうか?知れば知るほど不思議で魅力たっぷりなイチジクでした! ぜひ食べてみてください、ではでは~(^^)/♪